平成24年度ベストティーチャー賞受賞者

教育部門

所属・氏名 人文・社会系教育部  西村 公孝 教授 西村公孝(優秀教員 教Web).jpg
自己点検・評価書

西村公孝.pdf(107KB)

研究者総覧
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121604382/
選定理由及び
優れた教育手法
 西村公孝氏の専門分野は、社会科教育学である。氏は、自らの専門研究の成果を教職大学院の教育に活かすとともに、教育現場の実践的指導として展開している。また,氏は連合学校教育学研究科(博士課程)の「マル合」教員を兼務している。 西村氏は、社会科教育学の専門分野において、長年理論と実践の融合を目的とした教育実践学の研究を目指し、この度その成果を博士論文「社会形成力を育成する社会科・公民科カリキュラム開発と実践―政治領域における小中高一貫の視点から―」(兵庫教育大学、平成24年3月)として纏められた。そして、これらの研究成果を基に教職大学院の授業やゼミ指導、及び実習校における実践指導に取り入れ、教育効果を上げている。具体的には、ゼミ学生の研究課題に即して小学校外国語活動、グローバル化に対応した高校英語、キャリア教育、特別支援教育、個別指導、学習意欲や思考力を育成する教科指導等、今日的な授業実践・カリキュラム開発について指導し、教職大学院生の教育実践力育成に成果を上げている。 こうした研究内容や方法は、第1に、本学が教育目標として掲げる高度な教職の専門性と教育実践力等を備えた高度専門職業人としての教員の養成に、第2に、県内外の教育現場の教育実践に貢献するものである。 また、西村氏の平成23年度の大学院生の授業評価における授業の満足度は、高い評価を受けている。 以上、西村氏の業績は、教員養成を専門とする本学の教育の中でも、特に社会科教育学の立場から教育実践学研究と実践的指導に関し、大いに貢献するものである。
受賞者のコメント  本学の教職大学院は、平成20年度に「学校や地域で指導力を発揮できるスクールリーダーの養成」を目指し、既存の修士課程から専門職学位課程として独立しました。学校教育に関する理論と実践の往還による現職教師の職能発達を支援する大学院を目指し、昨年度は3期生の4人、4期生の5人のゼミ生を置籍校でのフィールドワークⅠ・Ⅱ、異校種実習などで支援してきました。ゼミ生の研究課題は、集合知、小学校外国語活動、グローバル化に対応した高校英語、キャリア教育、特別支援教育、個別指導、学習意欲や思考力を育成する教科指導など、様々な今日の授業実践・カリキュラム開発に関するテーマです。昨年の9月にはニューヨーク州に隣接するニュージャージー補習授業校を9人の院生と訪問し、授業実践及び授業研究会により日米の教師研修の機会を持つこともできました。また、「児童生徒の社会形成力育成」と「小中高一貫カリキュラム開発」をキーワードに、長年の研究課題であった理論と実践の融合を目指した学位論文を連合大学院に提出することができました。
 以上のような教育活動が評価され、本学において今回のベストティーチャー賞(教育部門)を受賞することができ、大変感謝しております。今後、学校教育のために学校現場が求める理論と実践力の融合を橋渡しできる実践的研究者として、教育、研究、社会貢献に精進したいと思います。

 

研究部門

所属・氏名 自然・生活系教育部  松岡 隆 教授  松岡隆(優秀教員 研Web).jpg
自己点検・評価書 松岡隆.pdf(113KB)
研究者総覧
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121604481/
選定理由及び
優れた教育手法

 松岡 隆氏の専門分野は、数学(幾何学)である。氏は、自らの専門分野を学部教育・大学院教育に活かすとともに、連合学校教育学研究科(博士課程)の「マル合」教員を兼務している。 松岡氏の平成23年度の主要研究業績は、以下の通りである。 1) 連合大学院研究科共同研究プロジェクト「地域における理数教育活性化のための教員研   修モデル・プログラムの開発・評価に関する教育実践学的研究」に取り組み、算数・数学   における関数指導と理科内容への関連について成果を上げている。 2) 京都大学数理解析研究所共同研究プロジェクト「数学教師に必要な数学能力とその育成   法に関する研究」の代表者として研究に取り組み,教員養成における数学教科専門授業の   あり方について成果を上げている。 3) 文部科学省先導的大学改革推進委託事業(上越教育大学・兵庫教育大学との連携)「教   員養成における教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究(いわゆる   「教科内容学」研究)」に算数・数学のチーフとして携わり、「『算数・数学科内容学』構   成案」を開発し、提案している。 以上の松岡氏の研究の中で「教科内容学」研究として開発・提案した「『算数・数学科内容学』構成案」は、各教科の「教科内容学」構成のモデルになったものである。 教員養成における「教科内容学」研究は、中教審の教員養成に関する答申でも研究開発が期待されている内容であり、また、本学の中期目標の中でも先端的教育実践研究の推進として掲げている内容である。 以上の研究業績は、自らの専門分野の研究を基礎にして教員養成大学に求められる教育実践研究に先鞭をつけたものであり、今後の一層の発展が期待されるものである。これらの業績を総合的に判断し、松岡 隆氏を研究部門のベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント  現在,様々に批判のある教員養成大学・学部における教科専門の内容を,教員養成に相応しいものに改善していくことが,緊要の課題となっています。この課題に理論的に取り組む枠組みである「教科内容学」の研究にこれまで従事してきました。平成22年度から始まった先導的大学改革推進委託事業「教員養成における教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究」では,算数・数学科のチーフを務め,算数・数学科内容学の構成案を平成23年度にまとめて提案することができました。これは「数学とは何か」,「算数・数学を指導する教員に必要な資質とは」といった根本的な疑問に立ち返り,そこから出発して教員養成に相応しい内容を構成したものです。今後,内容を具体的な授業案とするための研究を進めていきたいと思います。
最終更新日:2011年10月4日

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