パナマの哺乳類



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パナマで出会った哺乳類たち

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 バロ・コロラド島は小さな島ですが、多くの哺乳類がいます。よく見かけるのは、コアーティ(ハナジロハナグマ)Nasua naricaやアグーチDasyprocta punctataというウサギほどの大きさのネズミの仲間で、研究棟や宿舎のあたりにもうろうろしています。

 サルはホエザルの一種Alouatta palliata、シロガオオマキザルCebus capuchinus、チュウベイクモザルAteles geoffroyi、タマリンの一種Saguinus geoffroyiの4種がいます。特に最初の3種はよく見られます。朝夕や雨の降る前、飛行機などが飛ぶときなどには、ホエザルの声が島の中に響きわたります。

 ナマケモノはミツユビナマケモノBradypus variegatusとフタツユビナマケモノCholeopus hoffmanniの2種がいて、セクロピアの木の上などでその姿を見かけることがあります。コウモリに至っては68種もいるそうで、イチジクを食べるコウモリや、カエルを食べるコウモリなど、さまざまに適応放散しているのです。

 コアリクイTamandua mexicanaはなかなか印象的な生き物です。白い身体にベストのような黒い模様があって、しばしば、木のうろや朽ちた倒木などに頭をつっこんで夢中でアリやシロアリを食べているところに出くわします。そして、こちらの姿に気づいた瞬間、両手を広げて後ろ足で立ち上がり威嚇するのですが、そのユーモラスな姿に、思わず微笑んでしまいます。そのほかにイノシシやシカなどもいます。

 肉食動物では、ネコ科のオセロットFelis pardalisがいますが、夜行性でなかなか姿を見ることができません。ガンボアの町の近くのパイプライン道路沿いの森でオセロットよりやや小型のマーゲイF. wiediiに出くわしたことがありました。このとき、なぜかマーゲイは一頭のハナグマに追いかけられていて、私の周りを二頭がぐるぐるとまわりながら走り回っていました。

 これらの動物たちのなかには、植物の種子散布などに重要な役割を果たしているものもあり、近年、多くの研究が行われています。








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