ホーム > 修了生の今

修了生の今

教員養成特別コース修了

三好郡東みよし町立三庄小学校 教諭 斎藤 剛

去年は臨時でしたので、今年新任1年目になります。全校生徒169名のうちの小学4年生30名を担当しています。4月に学級目標を決めるにあたり、世界一○○できるクラスという提案をしたら、子どもたちの方から『世界一協力できるクラス』に決まりました。最初、「ごめん」が素直に言えず、クラスになじめない女の子がいたのですが、クラス目標を教室に掲げて仲間作りに取り組みました。具体的には、木曜日の昼休みはクラス全員で遊ぶ日にしました。クラス全員巻き込んで何かをすることが必要だと思いました。この活動を子どもたちが『スマイル31』と名づけてくれました。生徒の数だけなら30ですが、教師である自分のことをいれて『31』と呼んでくれたことに感激しました。その女の子もすっかりクラスにとけこみ、その子のお母さんからお礼を言われたきには、本当によかったなと実感しました。



また、学力向上のために、放課後、一部の児童を残して学習に取り組んでいます。最初はいやいやだったのですが、タブレット端末を使って都道府県を覚えさせたところ、ものすごく喜んで楽しく学習することができました。ただ、タブレットを使うことが目的ではないので、本来の目的である苦手な勉強を克服するということから逸れないよう気をつけています。このようなICT(情報通信技術)の活用については、若手の先生方が集まった研究会のときに、いろいろ情報交換しています。学力向上はもちろん、子どもたちの表現力や発信力を伸ばすためのツールとしてICTを活用していけたらと思っています。

若いからといって受け身になるのではなく、若さを武器にして積極的に発言したり、これはと思ったことはどんどん取り組んでいけたりできたらいいなと思います。ただ、学校はチームで子どもたちを育てているので、先輩の先生方への相談や連絡、結果報告などはきちんと行なっていかなければならないと思っています。

教職大学院で徹底して現場実習をしていたので、はじめての研究授業でも落ち着いて行なうことができました。これから教職大学院に志望する人は、なにか一つでも目標をもって勉強していただきたいと思います。あとは、先生方や仲間の皆さんが教えてくださると思います。目標がなければ、せっかく教えていただいたことが身に付かず流れていってしまいます。自分の中でしっかりした柱を持っていただくことをオススメします。



教員養成特別コース修了

高知市立鴨田小学校 教諭 片岡 卓哉

高知市で去年から引き続き小学4年生の担任をしています。教職大学院では、子どもが主体的に話し合いを進める授業の研究をしてきました。子どもは聞く事が苦手で、なかなか話し合うことができません。自分の感想や考えが持てず、授業の中で自分の存在を肯定する力が弱いという特徴をふまえて、教師がどのように支援し、授業を展開していくのか、ということが課題でした。

4月からの学級運営で、「話し合いができるクラスにしよう」という目標をかかげ、取り組んできました。友だちの話を聞き取り、内容を繰り返したり、「書く」ということも頻繁に授業に取り入れたりしました。一定の時間でたくさんの人と対話をする対話リレーということにも取り組みました。また、「つなげ言葉」に着目し、「○○さんの意見を聞いて思い出したんだけど……」というように前の人の意見に続けて、自分の話ができるようにもなりました。子どもが話し合いをしている間、教師がマスクをつけて口出しをしない「無言タイム」というのもつくりました。はじめは二分程度、教師が黙ると子どもたちも無言になっていましたが、二学期には3分間で、5人くらいの子どもたちが対話できるようになりました。話し合うことで学習が深まり、子どもたちがお互いの良さを確認しあうきっかけにもなっています。

これらは、すべて教職大学院で研究したことが、そのまま生かされています。当時、週3回から4回の実習を行っていました。翌日は大学でじっくり実践の反省し、再び計画を立て直して実践をするということが、日常的に行なわれていました。このことがあったからこそ、今でも自分の授業を録画し、授業ノートをとり、粘り強く実践していくことができるのではないかと思っています。大学院の実習ではメンターの先生方の授業を間近に見ることができ、広い視野で授業を分析する力が身につきました。 これからもっと多くの授業を経験しないとわからないことも、たくさんあるだろうと思います。同期のメンバーと鳴門教育大学で月に1回程度集まって、勉強会を立ちあげ、実践をより深めています。



教職実践力高度化コース修了
  (旧学校・学級経営コース)

高松市立一宮小学校 教頭 田中 義人

教職大学院では、学校・家庭・地域の三者連携を中心に研究してきました。車輪型の連携モデルを考案し、三者を3つの車輪にたとえてその中心を貫く同じ方向に回転するための軸を分析する実践研究をおこなってきました。

このたび、高松市の小学校で主幹教諭として勤務した二年半の実践を振り帰り、学校力を高める主幹教諭の在り方についてまとめる機会を得ました。初年度は、不登校傾向を示す4名の児童と関わり合いながらサポートチームをつくり、組織的な対応をめざしました。香川県でこれらの教育実践を報告する機会があったとき、教職大学院でお世話になった先生に資料を送り、再度助言をいただくこともできました。

また、弱体化するPTAや子ども会育成会や自治会などの組織を活性化し、子どもたちの教育環境を創造する新たな「信頼のネットワーク」を構築することにも取り組みました。この実践は、地域・保護者・学校、それぞれの願いを「安全」というキーワードでまとめ三者をつなげようとするものです。さらには、具体的な知見や経験を「安全BOOK」という冊子にまとめています。異学年児童間のネットワークを集団登校という手段で構築することを目的として、保護者の立哨活動や、地域住民による見守り応援活動がスタートしました。これまでに、つながりを拒否したり、無関心だったりした住民や保護者をまき込んで行うこの実践は、教職大学院で研究した実践をより進化させたものです。

さらに、学校・家庭・地域の三者連携を広げるための、「連携web新聞」を教職大学院在籍時からずっと継続して発行することができました。この新聞は、学校理解を深めるとともに親子のコミュニケーションのきっかけにもなっています。発行に関しても、教職大学院の先生にご指導をあおぎました。

これらの実践をふり返って、主幹教諭という立場によって、学校の課題を解決するために児童により近い場所で情報収集しながら、家庭や学校、地域の教育力を高めていくことができると考えています。 最後になりましたが、教職大学院で学んだ時間に大変感謝しています。



教職実践力高度化コース修了
  (旧学校臨床実践コース)

板野郡藍住町立藍住南小学校 教諭 富山 美智代

教職大学院を卒業してから、何か事あるたびに先生方の助言を思い出し、復帰してからの二年半の実践の支えにしてきました。その人が信頼できる人であるか、人間的な魅力があるかどうか、周りの人はいつも見ていると言う言葉が印象に残っています。学校臨床で大切なのは、子どもや保護者とちゃんと関わっていくことができるかということです。共感し、傾聴し、相手の労をねぎらうことが大切です。また、児童それぞれの障害や発達によって、いろいろな進路があるということも周囲や保護者の方に理解していただきました。

現場では、特別支援コーディネーターとして特別支援学級の入級を勧めていた児童や保護者との関わりを通じて、障害理解教育への取り組みを実践してきました。子どものことを受け入れ保護者とともに考えていく、とぎれない働きかけにより、叱られてばかりいた児童にも笑顔が次第に増えるようになりました。また、校内での役割を分担してくださった先生方の支援により、陸上記録大会でも高飛び部門で優秀な成績を残すことができました。このことが、思い出の言葉を古代文字で表すという書道の授業で、「飛」という素晴らしい文字に表現されました。書道授業では作業内容や目当てなどを整理して板書することで、わかりやすい視覚支援を行ないました。

学校臨床という立場から、担任の先生とは違った視点で子どもたちと接することができたのも良かったと思います。教職大学院で学んだ肯定的な言葉がけの実践が役立っています。まず「うん」と頷くこと。一時間一時間の中で、子どもの良さを認めていくことを大切に、授業をすすめてまいりました。常に子どもの心に寄り添うということを心がけていますが、いつもできるわけではありません。わかっているつもりでも、教師の都合で子どもの心とかけ離れた指をすることもありました。また、気づくポイントがいくつかあったにもかかわらず意識に留めることができませんでした。保護者からの手紙で、あらためて気づかされたということもあります。今後も、児童理解について深く考え、ケースカンファレンスを繰り返し行うことや共に携わる者の労をねぎらうこと、そしてそれを今後、若い先生方にも伝えていくことが大切だと考えています。

教職大学院で過ごす時間は、階段の踊り場にいるようなものだが、次の階段に上がるための力をつけていってくださいと、先生方に励ましていただいたことが思い出されます。様々な授業の中で、子どもたちとつながる方法、子どもたち同士をつなげていく方法、同僚の教員や保護者ともつながっていくことなど、つながることで教育をよりよくしていけるのだということが、教職大学院で学んだ大切な教えだったように思います。



教職実践力高度化コース修了
  (旧授業実践・カリキュラム開発コース)

静岡市立清水第六中学校 教諭 吉川 賢

教職大学院では基礎的・基本的な知識・技能の習得を目指す授業構成に関する研究を行なっていました。私たちの使命は授業実践力の向上により、生徒学力の向上を図ることだと考えています。さらに、大学院での学びを生かし、地域や置籍校など現場の教科指導や学習指導の中心となって実践していくことを目指してきました。提案授業や授業モデルの作成を行ない、コーディネーターの役割を果たしていけないか、お互いの実践を紹介しあう中で、全体の教科指導が高まっていけばいいなと考えています。

教職大学院を修了したということで、静岡県教育研究会で社会科の実践発表をさせていただきました。「よりよい街づくりを目ざした条例づくり」という単元で、大学院のときに、前任校で実際に行なった授業をアレンジして行ないました。前任校では、生徒自身が私生活で活用できる条例づくりを考えた授業だったのですが、主張が中心で、合意形成が弱かったという反省がありました。そこで、現代社会の見方や考え方をふまえた条例ということで、「対立と合意、効率と公正」をキーワードにして、若手の先生と共同研究することにしました。つくられた条例案を五段階に評価して意見交換をして提案か廃案かを決めていく合意形成の過程がよくわかったと、好評を得ることができました。

また、静岡市の評価研究委員としての取り組みでは、中学校社会科評価規準モデルを作成しました。これは、教職大学院での授業「新学習指導要領の各教科の分析」を生かした提案になっています。そのほか、社会科副読本改定委員としての取り組みでは、「教材教具の開発演習」という大学院での授業を参考にして、地理分野の授業で活用しやすい地域教材の開発をすすめています。さらに校内研修会の運営にも携わり、評価基準モデルの解説をしたり、実際に理科の授業にそれを取り入れたりしました。今後は、近隣校へも研究授業の実践や授業案を紹介していきたいと思っています。

学力向上を図るためには、教室環境づくりも大切だということを大学院で研究してきました。学習成果物の掲示を考える上で、この研究がとても役立っています。さらに、教職大学院で身についた一番の力は、実践力や分析力、マネージメント力などを総合的に含めた「人間力」ではないかと思います。いろいろな先生方にお世話になりました。いろいろな同僚とも知り合うことができ、今でも交流が続いています。現場に戻って若い人を指導するにあたり、理論や実践的なことだけでなく、今まで自分が経験してきた体験談をわきあいあいと話せるような人間的な魅力が大切だと感じました。教職大学院で勉強したことを生かし、これからもさまざまな取り組みを行なっていきたいと思います。



教職実践力高度化コース修了
  (旧学校・学級経営コース)

徳島県立農林水産総合技術支援センター農業大学校
准教授 向井 和博

21年間の高校教諭(英語)を経て、平成20年4月、教職大学院の門をくぐりました。前年の6月に教育委員会から長期研修のお話をいただき、HPや大学ガイド等で調べていくうちに、教職大学院の目的が、「授業実践、生徒指導、学校・学級運営に関する高度で専門的な知識・技術の習得」であることを知りました。また、個人の研究に特化するのではなく「置籍校の教育活動や学校運営の課題を解決する」というミッションに魅力を感じ、学校教育研究科高度学校教育実践専攻(学校・学級経営コース)への入学を決意したのです。
期待通り、教職大学院での2年間は、たいへん有意義なものでありました。授業では、先生方がスライド、ビデオ、そして様々なデータを駆使し、最新の教育事情、教育法規、よい授業の組み立て方、児童・生徒との関わり方、そしてミドルリーダーとしての資質等についてわかりやすく教えてくれます。また授業では、ワークショップやプレゼンテーション等、院生同士の情報交換の場も多く設定されており、高校教諭の私にとって、異校種の先生方の意見や,学部卒院生達のフレッシュな観点は、新たな気づきや視野を広げる良い機会となりました。
在学中は、自校の教育課題を共有し、「組織の協働力を高める組織開発プログラムの導入」と題した実践研究を行いました。置籍校では大学院生という立場で、課題分析や教育改善に取り組まなければいけないので、葛藤や悩みも多かったのですが、校長先生をはじめ多くの先生方のご理解とご協力を得られ、学年や校務分掌にも配属していただき、機動力のある研究を行うことができました。大学院では置籍校の課題解決に向けて、先生方に丁寧に指導していただき、他の院生からのアドバイスも参考にさせていただきました。置籍校では、生徒の学習面・生活面の課題を全教職員で共有し、重点目標や具体的取組に基づいた教育実践がなされ、定期的に目標の達成状況に関する振り返りも行われました。そして、年度末の学校評価では、教育改善や学校組織改善において一定の成果を収めたことが評価されました。
教職大学院を修了した後、置籍校で2年間勤務しました。ワークショップによるクラス目標づくり、KJ法やマトリクス法による授業研究、学年会で必ず行われる生徒理解のための情報交換、毎週行われるファシリテータチームによる学校運営委員会、学校評価の重点目標・重点課題と完全にリンクした校務分掌の全体計画等、置籍校では生徒の実態に基づき、教職員の主体性を重視した組織的な学校運営がなされています。当時の課題研究で明らかになった、「情報交換の場の少なさ」や「組織としての脆弱さ」は今や捉えることはできません。
教職大学院での学びは私の宝です。農業大学校で勤務している今も、その学びは私のバイブルとなっています。



鳴門教育大学 教職大学院に学ぶ「Powered by 鳴教」

※PDFファイルが開きます。

■ CASE 1 : 開けた視野、変わる学校 (3.6MB)
■ CASE 2 : 2年間の「いいとこ見つけ」 (34.9MB)
■ CASE 3 : 子どもと教職員の協働 (3.4MB)
■ CASE 4 : 子どもも教師も幸せになる『学校づくり』 (9.3MB)
■ CASE 5 : 人との「つながり」 (1MB)
■ CASE 6 : つながる力で夢をかなえる (1MB)
■ CASE 7 : 子どものつぶやきを大切に (1MB)
■ CASE 8 : 「待つこと」の大切さ (1MB)