鳴門教育大学高度学校教育実践専攻学校臨床実践コースでは,生徒指導・教育相談に関する専門的知識をもつリーダー教員を養成します。本コースが目指す教員像は,児童生徒理解,対人関係,コミュニケーション等に関する専門的・実践的な知識と技能を有し,生徒指導・教育相談の分野において学校及び地域のコーディネーターとして活躍できる教員です。
本コースの教育目標は,院生一人ひとりが生徒に対する思いやこれまでの関わり方について今一度見つめ直し,教員としての資質をより一層向上させることです。そして,カウンセリングマインドに基づき,子どもを共感的に理解し指導する力量,及び学級・学校・地域社会という広い視野から同僚教員・保護者・地域住民・関係諸機関と連携できる力量を伸ばすことです。
こうした目標を達成するための教育方針の根幹に,生徒指導・教育臨床コース時代より連綿と受け継がれてきた「学際的で実践的である」という教育理念があります。学際的とは,大学教員と大学院生である現職教員とが協力し,互いの専門性を活かしながらも,狭い分野の教育研究体制に陥ることなく「教育学」や「臨床心理学」,あるいは「学校」という殻を打ち破り,生徒指導や教育相談における知の枠組みを共有することをねらいとしています。実践的とは,教員が学校現場で日常の生徒指導や教育相談を実践する上で,わかり易く実際に役立つ根本的な考え方や知識,姿勢や態度,技術や技能の育成をねらいとしています。
こうした教育方針のもと本コースの教育課程における特色は,@生徒指導・教育相談のエキスパート教員としての力量形成を図るため,解決や支援の方向を見通すことができる見立て力や人的・物的環境調整ができるマネジメント力等,実践的応用力を養成するカリキュラムを構成しています。A生徒指導・教育相談に関わる実践的応用力を養成するため,事例研究を主柱にグループワークやロールプレイ,フィールドワークといった効果的,効率的に学習できる授業方法を取り入れています。B一つの授業科目を複数の教員によるティーム・ティーチングや全教員参加によって授業展開するといった教員と学生の協働授業形態をとっています。C学校現場でのニーズに対応した実習を念頭におき,実習先での事例検討会やワークショップ,臨床的知見に基いた授業実践を柱に実習を展開させることにより,生徒指導・教育相談の実践的応用力を養成します。
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