2022年度 ホームカミングデーの山下先生の講演から
 学会に関連する、「2 生徒指導コース、学校教育専修・学校教育コース」の要旨
 (7期生 山崎さんより)
 
鳴門教育大学での出会いの数々 ~子どもの心と大人の知恵~
鳴門教育大学前学長 山下 一夫 先生


・33年6か月、鳴門教育大学でお世話になった。着任時、院生は4期生であった。初めて鳴門教育大学に来た時、美しい心安らぐキャンパスだと思った。そして学校現場から学びに来ている先生方と一緒に勉強することが魅力的で楽しかった。

・ 「美しい」というのは、中身があって言えること。人間関係のプロを目指して学んで、そして、それをまた現場に持ってかえる。その出会いに素晴らしさがある。

・ 出会いに絞ってお話ししたい。倉戸ヨシヤ先生。1984年から1992年の8年間在籍された。たこつぼ型の研究体制におちいってはいけない、大学教員と院生が協働して新しい知の枠組みをつくる「生徒指導学」の構築を目指した。ゼミという言葉を使わないように、どの先生にも指導を受けてもよいと言われていた。自宅を開放され院生とBBQをしたり、ご自分の船で釣りに行ったり、宿泊で旅行に行ったりされていた。

・ 上原崇先生。7期生と一緒になって鳴門生徒指導学会を作った。日本生徒指導学会ができる10年も前。上原先生は、倉戸先生とともに協働性、同僚性をとても大切にされ、チームとして取り組んでこられた。今、「チーム学校」といわれているが、その当時から生徒指導コースはチームとして取り組んでいた。

・ 倉戸先生の話で印象に残っていることがある。倉戸先生はアメリカで学ばれ、サンフランシスコ州立大学でも教鞭をとられた。その先生がアメリカから帰国したとき、空港でやけにアメリカかぶれした人が歩いてくるなぁと思ったら、それが鏡に映る自分の姿だった。そのことに大きなショックを受けられた。アメリカでの学びの光と影を心したうえで、アメリカで学んだことを日本で実践された。苦しみ悩む人に非常に優しい。根があるから影がわかっておられるから、意図的で美しい。

・ 着任して2年間授業をしていて、自分の授業が本当に学校現場で役に立っているのかという不全感があった。そのために事例検討を必須の授業とした。発表者の話に共感的に耳を傾け、みんなで一緒に考えていこうという授業。この授業は本当に勉強になった。院生もこれまでの実践を振り返り、自信を持つことにつながったと思う。仲間意識、同僚性も生まれた。とても感動する発表もあった。この先生に出会えて本当に良かったという発表もあり、エネルギーをもらえた。

・ 4月にオリエンテーションが行われるが、2回担当させてもらった。構成的エンカウンターグループを行った。体ほぐしと心ほぐし。グループエンカウンターという人がいるが、どちらも同じ。

・ 1回目はグランドで軽くランニング。氏家治先生に学んだX人Y脚。その後、自己紹介、グループワーク。新入生対象に行ったが、とても役に立った。2回目は、一人がしゃべるのを2分間黙って聞く。そんなオリエンテーションであった。

・ 学部生対象の「心の教育実践論」も開講した。選択科目であったが、1年生はほぼ全員が受講していた。その中で「教師と生徒の恋愛関係」を取り上げた時の授業評価が低かった。ディスカッションして考えさせたうえで、教員が付け加えるそういった授業であった。

・ その中で取り組んだ「トラストウォーク」がNHK徳島のニュースで取り上げられた。

・ VTR視聴

・ 今年70歳、古希になった。プーチン、習近平、文在寅、みな昭和28年生まれ。

・ 徳永先生と道徳教育の勉強会をしたこともよい思い出。道徳教材「手品師」について、討論したことが印象に残っている。

・ 鳴門教育大学での出会いを振り返ってきたが、「協働性」が一番大切なことだと思う。

 


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