所長だより035 「タッチフットボール」

2015年11月25日

 本学の課外活動団体では、私は「タッチフットボール部」の顧問を務めています。1121日、鳴門教育大学タッチフットボール部BIG EDDY(四国地区代表)は、全国大会出場をかけて、本学グラウンドにおいて、広島OYSTERS(中国地区代表)と対戦、52-0で勝利し、日本タッチフットボール協会主催全国大会FINAL TOUCH12/19、横浜スタジアム)への出場権を獲得しました。

 広島OYSTERSさんは、近年、中国四国地区代表としての全国大会出場権1枠を巡り、しのぎを削ってきたライバルですが、今回は、広島OYSTERSさんのレギュラー選手が揃わず、鳴教大BIG EDDYは大差の勝利で、1998年・2011年・2012年・2014年に続き、5回目となる全国大会に駒を進めることになりました。

 タッチフットボールという競技は、簡単に言えば、アメリカンフットボールの魅力を残しながら、タックルなどの激しい身体接触の代わりに両手での「タッチ」で相手選手を止める競技です。男性でも女性でも、若い学生・院生も体力が衰え気味のOBも、防具なしに安全に、本格的なフットボールの醍醐味を味わうことができます(私も、副学長で名誉顧問の山下一夫先生も、現役として選手登録しています。)

部の勧誘ビラに、私は「システマティックで、戦術が重視されると同時に、フォーメーション(人の配置)が大切な意味を持ち、プラン通りにいかないときの柔軟な対応が必要、そんなタッチフットは、『教師力』を深めるためにも意味のある『実習』です。学生さんも院生さんも、是非、一度、活動のようすを見にいらしてください。」と書きましたが、決してこじつけではありません。

タッチフットボールでは、毎プレーごとにフィールドの選手それぞれの役割がシステマティックに決められ、プレーヤー全員の組織的な協同が重要な意味を持ちます。攻撃の場合は、点差、ダウン(野球のアウトカウントのようなもの)、残りヤードなどの状況を判断し、相手チームのディフェンスの特徴(個々の選手の配置や作戦)を分析したうえで、ラン攻撃・パス攻撃それぞれいくつも準備している攻撃パターンから、もっとも有効だと思われるプレーを選択して攻撃します。また、守備の場合は、相手の攻撃パターンを読んで対応します。つまり、走るスピードなどの基礎的な身体能力も重要ではあるけれども、それ以上に、協同と戦術が大きな意味を持っているわけです。

 所長だより025で「布置」(ふち、コンステレーション、Constellation )について書きました。意味ある配置(配置の意味)という点では、タッチフットボールのフォーメーションも、布置のひとつだと言えます。我が部のタオルマフラーに、私は、「Trust our synergy, and constellate for our dream !というスローガンを入れました。「力を合わせることの大切さを信じ、私たちの夢に向かって、布置せよ」という意味で、私たちの部にふさわしい言葉として考案したものです。「constellate (コンステレート)」とは、星座のようにそれぞれが「意味のある配置(布置)につく」ということを示しています。また、所長だより028 「上越教育大学訪問」で書いたように、「synergy (シナジー)」とは「協同」の意味で、一人一人の知恵と力を束ねることによる相乗効果で、1+1が2にも3にもなるということを示しています。

 BIG EDDY は鳴門の渦潮に因んだチーム名ですが、EDDYには「渦」の意味と「流れを変える」という意味があります。BIG EDDYでプレーした者は、競技において、そして、大学や職場においても、周囲の人々を柔らかく「渦」に巻き込んで、困難に直面しても希望を失わず「流れを変える」役割を果たしていってほしいと私たちは願っています。

 今年こそは、何とか、強豪の関東地区代表・関西地区代表の一角を崩して、our dream の全国制覇に少しでも近づきたいと思っています。

 

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