鳴門教育大学では,平成14年から2年間をかけて開発した「教育実践学」を中核とするコア・カリキュラム
(鳴門プラン)を平成17年度から学士過程に導入しました。平成18年度文部科学省「特色ある大学教育支
支援プログラム(特色GP)」に採択された『教育実践の省察力をもつ教員養成』事業は,この教員養成コア・
カリキュラムを土台としており,学生が大学内外における多様な学びを総合し,自己の教育実践力を絶えず
反省・評価し,改善していける能力の育成と,その能力をもつ教員養成を目指しています。
 この事業の一環として,これまでの取組を教育現場,大学生,一般の皆様に広く公表し,意見交換等を行
うため,シンポジウムを開催いたしました。


【 日   時 】  平成19年3月1日(木) 13:00〜17:30

【 場   所 】  ホテル クレメント徳島 4階クレメントホール

【 参 加 者 】  105名 (教育関係者・大学関係者24名,本学教職員56名,大学院生25名)

多数のご参加をいただき,ありがとうございました。


●13:00 開 会
挨 拶 司 会
 鳴門教育大学長   高橋  啓  鳴門教育大学 教務部長  福留 純郎


●13:10 
【第 1 部】
基調講演 「大学教育改革への期待」 (約60分)
 講 師  関西国際大学長  濱名 篤 氏


●14:10
事例報告 「教育実践の省察力をもつ教員養成のシステム開発」 (約40分)
 報告者
 
鳴門教育大学
 総合学習開発講座 教授 村川 雅弘
 報告者
 
鳴門教育大学
 社会系教育講座 助教授 梅津 正美






       報告者
        
鳴門教育大学
          地域連携センター 助教授 藤原 伸彦


●14:50〜15:00 休 憩


●15:00
パネルディスカッション 「教育実践力を育む教員養成カリキュラムの展望」 (約90分)
 司 会
 鳴門教育大学 学長補佐 西園 芳信
パネリスト
(写真右側から)
 立命館大学 国際機構長   慈道 裕治 氏
 徳島県立川島中学校 教諭 三橋 和博 氏
 鳴門教育大学 教授      村川 雅弘
 鳴門教育大学 助教授    梅津 正美



●16:30 フロアーとの質疑応答 (約30分)


●17:00
【第 2 部】
基調報告 「鳴門教育大学教職大学院設置構想について」 (約30分)
 報告者 鳴門教育大学長   高橋  啓


●17:35 閉 会


ま と め  鳴門教育大学 学長補佐 西園 芳信

 鳴門教育大学は,プロジェクト「教育実践の省察力をもつ教員養成−教育実践力自己開発・評価システム
を組み込んだ教員養成コア・カリキュラムの展開を通して−」が,文部科学省の平成18年度特色ある大学教
育支援プログラム(特色GP)として採択された。
 本シンポジウムは,基調講演のあと本学の特色GPの事例報告とそれを基にしたパネルディスカッション,
そして,本学の教職大学院構想についての基調報告が内容であった。ここでは,本学特色GPの取り組み内
容についてのパネルディスカッションで浮かび上がってきた課題についてまとめておきたい。
 第1は,「教育実践力」の内容のことである。本プロジェクトの取り組みが目標としているのは,「教育実践力
をもつ教員養成」である。では,この「教育実践力」の内容は,教育現場が求める「教育実践力」とどのように
関連しているのか。プロジェクトの全体のシステムを機能的に推進するには,このことを改めて問題にし,そし
て,その内容を明示的にしておくことが必要である。
 第2は,「授業評価スタンダード」の扱い方の問題である。「授業実践力」を捉えるための共通の評価枠組み
や観点は必要である。しかし,これによって「できる・できない」と単純に判断したり個人を振り分けるのではな
く,評価スタンダードを参照点としてこれを使いながら,学生が日頃学習したことを総合しつつ,自分の評価ス
タンダードを作っていくようにする必要がある。
 第3は,教員養成の全体で求められる能力像に対応した「 評価スタンダード 」や「 知の総合化ノート 」「 映
像データーベース 」を開発しなければならないことである。本プロジェクトが3年間の中で取り組む「評価スタン
ダード」は,「教育実践力」の中でも「授業実践力」に限定し,そして,これをコア・カリキュラムのコア授業の範
囲で開発するものである。教員養成として求められる能力を見たときには,まずは教職科目の全てにおいて
「評価スタンダード」の開発が求められよう。そして,教養科目もそれが必要となろう。そのためには,教員養
成で養成する能力を目標として明快に示し,そして,それを実現するための全体の設計図を持つ必要がある。
 第4は,カリキュラム開発や改善で取り組んでいる内容をいかに全学的なものにするかという方法上の問題
である。現在の取り組みでは,コア科目に限定し「評価スタンダード」「知の総合化ノート」「映像データベース」
を関連させ,「授業実践力」育成のシステムを開発している。これらの内容を各授業のシラバスレベル,授業
展開にまで反映させるとなると,全学的なコンセンサスを得る必要がある。そのためには,カリキュラム開発・
改善の目的や方法を全学的なものにするための適切な組織が求められる。


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  e-mail : gp@naruto-u.ac.jp

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